団体旅行のバス酔い対策は「座席の配置」で変わる
貸切バスでの団体旅行では、座席の位置によって酔いやすさが大きく変わります。酔いにくいのは、進行方向の視界が開けた前方から車体中央付近にかけての窓側の席です。前を向いて景色が見えることで、体が感じる揺れと視覚情報のズレが小さくなり、乗り物酔いが起こりにくくなります。
一方で「前が安心」と思われがちな最前列は、実はタイヤの真上に位置するため、道路の凹凸による振動が直接伝わりやすく、酔いやすい席のひとつです。反対に後方や最後尾の角席は、揺れが大きく視界も限られるため、最も酔いやすい傾向があります。バスに乗り込んで座席を選ぶとき、つい後ろの空いている席に向かってしまう人も多いのですが、この座席ごとの特徴を踏まえて座席割りを考えることが、幹事や添乗員にとって最初の酔い対策になります。当社でも、乗車前の打ち合わせで「酔いやすい方がいる」とお伺いした際には、できる範囲で前方・中央寄りの座席へご案内するなど、座席割りのご相談に対応しています。
修学旅行の座席決めで先生・幹事が見るべきポイント
酔いやすい生徒のヒアリングと座席配置
修学旅行など学校行事では、出発前の集合時間に「バスが苦手な人は手を挙げてください」と一声かけておくと、座席表作りがスムーズです。手を挙げた生徒がいれば、前方・中央寄りの席に配置しておくと安心です。
座席表の作成とバスレクリエーション
座席表は出発前日までに完成させておき、当日は昇降口で名前を呼びながら座席表どおりに案内すると、乗車時の混乱を防げます。長時間の移動では、バスレクリエーションを取り入れるのもおすすめです。クイズやゲームで車窓以外に注意を向ける時間を作ることは、単なる時間つぶしだけでなく、酔い対策としても効果が期待できます。
社員旅行・サークル旅行で幹事が乗車前にすべき準備
酔い止め薬は乗車30分前に
社員旅行やサークル旅行の幹事は、出発前の案内で酔い対策の差をつけられます。市販の酔い止め薬は、乗車30分前の服用が目安です。効果が出始めるのは服用後30分〜1時間ほどで、4〜6時間程度続くとされています。集合場所で受付をしながら「お酔い止めは飲みましたか」とひと声かけておくと、「バスに乗ってから」ではなく「出発前に飲んでおく」習慣づけがしやすくなります。すでに酔ってしまったあとに服用した場合でも、ある程度の症状の緩和が期待できるといわれているため、飲み忘れた参加者がいても早めに勧めてあげるとよいでしょう。
座席ヒアリングと前日からの体調管理
座席表を作る際は、受付のタイミングで参加者に酔いやすいかどうかを聞いておくと、前方・中央寄りの席に配置しやすくなります。前日は睡眠をしっかりとり、当日は食べ過ぎず軽めの食事にしておくことも、体調を整えるうえで大切なポイントです。
酔ってしまったら、乗務員・添乗員にこう伝える
車内で気分が悪くなってしまったときは、我慢せず早めに乗務員や添乗員に伝えることが大切です。貸切バスは安全な運行のため、決まったタイミングでサービスエリアやパーキングエリアに立ち寄って休憩を取るようにしています。この休憩のタイミングで外の空気を吸うだけでも、気分がすっと軽くなることがあります。
添乗員が同行している行程であれば、体調不良時のサポートや、必要に応じた応急対応も受けられます。当社の乗務員も、サービスエリアでドアが開いた瞬間、通路を歩きながら一人ひとりの顔色を確かめ、気になるお客様には声をかけるようにしています。一人で抱え込まず、早めの一声が快適な旅のカギになります。
移動中は、添乗員が休憩のたびに参加者の様子をひと声確認し、気になる方がいれば乗務員に伝える、という小さなやり取りを繰り返すだけで、体調の変化に早く気づきやすくなります。こうした声かけの役割を幹事と添乗員の間であらかじめ決めておくと、大人数の団体でも対応がスムーズになります。
アロマ・酔い止めバンドは車内で使える?確認しておきたいポイント
自分なりの酔い対策グッズを持ち込みたい場合は、事前の確認がポイントです。スプレータイプの芳香剤や消臭剤は、車内の換気やほかのお客様への影響を考えて、運行会社のルールで持込みが制限される場合があります。集合受付で「車内で使いたいものがあるのですが」と一声かけておくと、使えるタイミングや場所を案内してもらいやすくなります。
手首の「内関」というツボを刺激する酔い止めリストバンドは、吐き気やめまいの緩和をねらったセルフケアグッズで、両手首に着けると効果を感じやすいといわれています。効果には個人差があり、気軽に試せる対策のひとつです。団体旅行では周りの乗客への匂いの配慮も忘れずにしたいところです。
紅葉シーズンの日光ツアーで試す「酔いにくい周り方」モデルコース
秋のお出かけ先として人気の日光・中禅寺湖方面は、東京都心から貸切バスでおよそ2時間30分の行程です。長めの移動になるため、休憩のタイミングを決めておくと酔い対策にもつながります。
いろは坂の途中にある明智平は駐車場や売店があり、カーブの続く坂道を上りきったあとの気分転換スポットとして使いやすい場所です。中禅寺湖展望台も無料駐車場があり、湖面を染める紅葉を眺めながら体をリフレッシュできます。バスを降りて数歩進むと、色づいたカエデの隙間から中禅寺湖の水面が静かに光り、坂道の揺れを忘れさせる景色がそっと広がります。
