一口に「マイクロバス」と言っても、これには様々な種類があります。
ここではマイクロバスの種類や特徴をご紹介します。
皆様のバス選びのお役に立てば幸いです。

1.マイクロバスの特徴と用途

マイクロバスと言えば小さなバスというイメージかと思われますが、実際にはどのようなバスで、どんな用途に向いているのでしょうか?
 通常マイクロバスは席数24から28席、大きなもので32席のものもあります。
 車幅は大型バスや中型バスの車幅(約2.5m)より細い約2.1mで、住宅街等のやや細い車道でもやや余裕をもって走行できます。
ただ大型バスや中型バスのような大きな荷物用トランクが無いため、旅行用トランクなどの大きな荷物を積むのは不向きです。
 使い方としては施設などへの短距離の送迎、または十数人のグループでの日帰りや1泊2日の小旅行などがお勧めです。

2.「マイクロバス」≠「小型バス」

マイクロバスの料金は法律で定められるところの「小型車」の料金が適用されます。
ではマイクロバスは「小型バス」と呼んで良いのでしょうか?
実はマイクロバスは「小型バス」とは別の種類のバスです。
マイクロバスと小型バスの特徴で大きな違いは以下の2点です。

①小型バスには車体下部にトランクがあるが、マイクロバスには無い。
②小型バスの出入り口は車体前方に、マイクロバスの出入り口は車体中ほどにある。
③小型バスはマイクロバスに比べてテレビ、冷蔵庫などの設備が充実している。

 また、小型バスの外観は大型の観光バスを長さを短くしたような印象を与えますが、マイクロバスは大型観光バスと似た外観のものは少ないようです。
ただ、小型バスは市場の流通量が少ないために、 マイクロバスを利用されるお客様の方が多いようです。

3.マイクロバスの車内設備

マイクロバスの車内はどのようになっているのでしょうか?
ここでは一般的な車内の設備を説明します。
出入口はドアが車外に出てくるスライドドア、または折り畳みドアです。
座席は、入り口を入って対面の、運転席後ろ側が2人掛けシートが並んでいます。その反対、入り口側には1人掛けシートが並んでいます。
補助席は2人掛けシートの側面や前方座席の側面に付けられています。
通路(補助席と1人掛けシートの間)の幅は35センチ程度あります。
荷物棚は2人掛けシートの上部にあります。
テレビモニターがある車輛は、モニターは運転席の上部に付きます。
冷蔵庫がある車輛は、冷蔵庫は前方の出入口横のスペースに付けられます。
最後尾に座席を置かずに荷物スペースにしている車両もありますが、これは車体最後尾を観音開きのドアにすることで大きく開け放つことが出来るようにして、大きな荷物も後ろから入れられるようにしています。

4.マイクロバスのメーカー

現在マイクロバスは以下の5社で、それぞれの車名で製造されています。

トヨタ自動車    『コースター』
日産自動車    『シビリアン』
三菱ふそう     『ローザ』
いすゞ自動車   『ジャーニー』
日野自動車    『リエッセ』

この5つのメーカーそれぞれが、後で説明します「標準ボディ」と、それよりも車長が長い「ロングボディ」を生産していますが、三菱ふそうは『ローザ』で「ロングボディ」よりさらに大型の「スーパーロング」も生産しています。

5.マイクロバスの種類

①標準ボディ
車長:約6.3m
車幅:約2.1m
車高:約2.7m
席数:24~25席(正座席17~19、補助席5~7)
座席は2人掛けシートが4~5列、1人掛けシートが5~6列並べられ、 最後尾に4人掛けシートが置かれています。
最後尾が観音開きドアで荷物スペースがある車輛の場合は、4人掛けシートはありません。

②ロングボディ
車長:約7.0m
車幅:約2.1m
車高:約2.7m
席数:28席(正座席20~22、補助席6~7)
座席は2人掛けシートが5~6列、1人掛けシートが6~7列並べられ、最後尾に4人掛けシートが置かれています。
ロングボディも標準ボディと同様に、最後尾が観音開きの場合は4人掛けシートはありません。

③スーパーロング
車長:約7.7m
車幅:約2.1m
車高:約2.7m
席数:28~32席(正座席22~24、補助席8~6)
座席は、32席の車が2人掛けシート8列、1人掛けシート8列、補助席8。
28席の車は2人掛けシート6列、1人掛けシート6列、最後尾に4人掛けシートと補助席6です。
最後尾が観音開きの車体は24人乗りです。

6.福祉車両(リフト車)

車イスをお客様を乗せたまま車外から客室内に乗せることが出来る「リフト機能」を持つバスは大型バス、中型バスに多いですが、マイクロバスにもあります。
マイクロバスのリフト機能は最後尾が観音開きの車体に装備されます。
車イスは車体の後ろからリフトに乗せられ車体床面と同じ高さまで上げられてから車内に入り、車内の後部に専用のワイヤーまたはベルトで床面に固定されます。
車内に固定可能な車イスの台数は、少ないもので2台まで、多いものだと7台まで乗せることが出来ます。