集合場所に着いてもバスがすぐ出発しないのは「出発前点呼」の時間があるから
貸切バスツアーで集合場所に集まったのに、バスがすぐに走り出さない――そんな経験をしたことはありませんか。実はこの時間、乗務員は出発前に「出発前点呼」という安全確認を受けています。集合から出発までの流れを順番に追うと、参加者の集合・人数確認、出発前点呼、出発という3つのステップになっています。駅前など長く停車できない場所では周囲への配慮も必要になるため、少し時間をいただくことがあります。多くのツアーでは決められた時刻どおりの出発を基本としていますが、早く全員が揃った場合には予定より早めに出発できることもあります。
ステップ1:集合と人数確認
集合場所に参加者が集まったら、まず幹事や添乗の方と一緒に人数確認を行います。ここでの確認がスムーズに進むと、そのあとの点呼や出発までの流れ全体が早くなります。とくに駅前など長時間の停車が難しい場所を集合場所にする場合は、余裕を持って集合しておくことをおすすめします。
ステップ2:出発前点呼で確認している5つのこと
人数確認と並行して、乗務員は出発前点呼を受けます。点呼を行うのは乗務員本人ではなく、営業所で運行の管理を担当している別の担当者です。点呼者は乗務員と向き合い、目を見ながら「体調に変わりはないか」「よく眠れたか」といった短いやり取りを重ね、声の張りや表情のわずかな変化まで確かめていきます。原則として対面で、健康状態の確認、検知器を使った酒気帯びの有無の確認、運転免許証が有効であることの確認、バス自体の日常点検が終わっているかの確認、そしてその日の行程や注意事項が正しく伝わっているかの確認という5つの項目を、ひとつずつ区切りながら進めていきます。1項目ごとのやり取り自体は短くても、5つを積み重ねる分だけ、乗務員と点呼者が言葉を交わす時間は思いのほか長く感じられるものです。
アルコールチェックの様子は写真で記録されている
酒気帯びの有無を確かめる場面では、乗務員が検知器に向かって息を吹きかけ、点呼者がその数値と乗務員の顔を見比べます。数値に問題がないことを確かめると、点呼者はその場でカメラを乗務員に向け、検知器の画面と乗務員が並んだ様子を1枚に収めます。シャッター音が鳴ってから次の確認項目に移るまでは、ものの数十秒ほどの出来事です。撮られた写真は営業所の記録として残され、乗客の目に触れることはほとんどありませんが、出発前のこのわずかな時間に、安全確認の証拠が一つずつ積み重ねられています。
ステップ3:点呼が終わればいよいよ出発
人数確認と点呼の両方が整うと、乗務員は運転席に座り直し、ミラーの角度を確かめてからエンジンをかけます。出発が数分ずれて見えるときも、それは段取りが悪いのではなく、体調やアルコールの状態、車両の点検状況をきちんと確認していた時間だと考えるとわかりやすいはずです。基本的には案内された時刻での出発となりますが、参加者が早めに揃った場合はそれより前に出発することもあります。乗務員が軽く会釈をしてドアを閉めると、バスはゆっくりと集合場所を離れ、窓の外の景色が少しずつ動き出します。
集合場所や行程の組み方はモデルコースの記事でも紹介しています。人数や行程がまだ決まっていない段階でも、お見積りフォームからご相談いただけます。
