義父は10年以上前に椎間板ヘルニアの手術を受け、しばらくは平常通りの生活に戻ったのですが、
去年から再び悪化し、完全に歩けないわけではないものの歩行困難になり車椅子生活となりました。
しかし、旅行好きだった義父はそれでも旅行がしたいという気持ちが無くなることはなかったため、
温泉旅行をすることを計画しました。温泉だけではもったいないので観光も兼ねて、
長野県松本にある浅間温泉温泉へ行くことにしました。松本といえば、外せないのが松本城。
お城は現存天守閣のためエレベーターなどはなく車椅子であがる事が出来ないので、堀の外をのんびり散策し、
後は市街地を観光して回りました。その後、宿へ移動。今回お世話になったのは「浅間温泉 ホテル玉の湯」さんです。
ここは、バリアフリー化されているとのことで予約してみました。早速、宿へ向かうと優しそうな女将さんが出迎えてくれました。
女将さんだけでなく、どのスタッフの方も笑顔が素敵で好印象の宿でした。
この宿は、温泉はもちろんですが、夜は無料コンサートなどの楽しみがあるということで選びました。
スタッフの方に案内された部屋は、10畳のある露天風呂付和洋室のタイプ。大人4人と子供2人でしたが、
ゆったりと過ごすことができました。部屋内の通路に余裕があるので、義父一人でもぶつかることなく車椅子を自由に動かす事が出来ていました。
部屋付の浴室はとても余裕のある広さで楽に車椅子で移動できました。浴室も広く大人2人でも介助できる広さ。
自宅の風呂が、こんなに広ければ楽に介助できるのにと思えるほどでした。
久しぶりの温泉につかることのできた義父は大満足したようで、こちらも連れてきてよかったなと嬉しくなりました。
もちろん、浴室には手すりもありましたし、トイレもシャワートイレです。義父の温泉タイムが終わった後、私も大浴場へ移動。
大浴場の温泉はクセの無い透明の湯。弱アルカリ単純泉なので肌への負担がなく長時間楽しむことができました。
内湯は広々していましたし、露天風呂は総ヒノキで良い香り。たっぷり湯につかった後はスベスベの肌になり、私も大満足。
部屋に戻り、皆そろったら夕食タイム。義父は食事は自分自身で普通に食べることができるので、私達と同じメニューになりました。
信州ならではの味が楽しめるコースはいくつかあり、信州旬彩郷土コースにしました。
信州豚や地元のイワナなどの地元の食材がバランスよくいただける内容で、上品な味わいに大満足。
鯉も初めて食べたのですが、初めての味に嬉しさを感じることのできる逸品でした。
食事処は2階にあるのですが、出入り口もバリアフリー化されていて入りやすかったですし、
車いす対応のテーブル席を用意してもらえたので、介助する側も何もすることなく気楽に食事を楽しむことができました。
食事の後、再度温泉に入りたいという義父のために貸切露天風呂を予約しました。
こちらは浴槽にリフト設置されているため介助がとても楽。とはいえ、自分自身で使ったことが無く使い方がさっぱりわからなかったので
スタッフに聞いたところ、お風呂まで来ていただき丁寧に説明していただけ安心して使用することができました。
しかも、障碍者は1時間無料という嬉しいサービス。
土産物店も車椅子の方に配慮した高さで、義父は自由に見て回る事が出来、とても嬉しそうでした。
その後、義父は、ゆっくりと部屋ですごしたいというので私達はふれあい広場へ移動し、ミニコンサートを楽しみました。
ミニとはいえ本格的な演奏に素晴らしいと感激。翌朝も信州の味覚が揃った美味しい朝食をいただき、
お腹いっぱいに。バイキングスタイルなので、義父の分は主人がとりにいていました。
誰か取に行く人がいれば、バイキングでも問題無しのようです。ここは大浴場も貸切露天風呂も充実しているので、
上手にプランを組めば、館内で湯めぐりも楽しめそうです。ここはバリアフリーに関しては不満の無い素敵な宿でした。
この宿は大満足でしたが、もし可能なら小上がり席だけでなく、ロビーコンサートなら車椅子でも楽しめたのかもと思いました。
ここの露天風呂の湯も気持ちよかったのですが、次回は露天風呂から自然美も満喫できるバリアフリーの宿も探してみようと思っています。
今まで車いすだからと躊躇していた旅行も、今回のように素敵な対応してくれる宿があることも知り、今後は積極的に旅へ出てみようと思っています。