車いすでも飛行機に乗り、1泊2日の沖縄旅行編

さて、私が働く大阪市大正区の住宅型有料老人ホームでは、
年に一度、旅行のイベントがありご利用者様には大変喜ばれております。

今までは、車いす専用バスにて、京都とか、奈良の日帰り旅行を楽しんでおりましたが、
大正区という土地柄、沖縄ご出身の方が多く、旅行先アンケートにおいて、
沖縄旅行の声が、多くあった為、今年は沖縄旅行にしようという事になりました。

しかし、沖縄って飛行機に乗らないといけない、大丈夫かなど、心配があり、
航空会社へ相談しましたが、安心してご搭乗できますから大丈夫ですよと言ってくれました。

車いすでも飛行機に乗れます。

車いす利用者が、飛行機に乗る場合は、自分の車いすから、
チェックインカウンターにて航空会社の車いすに乗り換えが必要となります。
ちなみに、大きな方専用の車いすがあり、普通の車いすの2倍ほどの大きさがあり、
びっくりした事があります。

自分の車いすは貨物室に入り、飛行機を降り荷物を受け取るターンテーブルにて返却されます。
機内に入るまでは、チェックイン時に借りた車いすにて、航空会社の職員が移動を手伝って頂けますので
安心です。又、機内では、狭い機内でも、移動できる専用の車いすにさらに乗り換えて、
自分の座席へ座る事になります。

トイレ移動の際はこの車いすを利用し移動致します。
フライトアテンダントさんもやさしくお手伝い頂けました。
施設からは、いつもお世話になっております、バス会社さんのリフト付きバスで、
伊丹空港へ向かいます。

いつもの小柄で丸メガネを掛け運転が丁寧な運転手さんと、
体は大きいが声が高く、動きが素早いリフト補助員さんにいつもの様に
バス中央にある、車いすを乗せ上下できるリフトで、車いすのまま、乗り込む事ができる、
バスを利用し、安心な旅の始まりを感じました。
空港へは車いすの乗り換えが必要の為、1時間前には、
航空会社へチェックイン致しました。

体が大きく声の高いリフト補助員さんが、
どしどし走り、航空会社へ、「すんませーん」
車いすで来られているお客様がいますので、航空会社の車いすを準備してくれる様、
話をして頂きました。大きな体で丁寧な方だと実感致しました。

 

世界遺産の首里城を車いすでも満喫できる。

沖縄へ到着後、沖縄で利用する、リフト付きバスへ乗り換え致しました。
こちらも、「めんそーれ」と優しい人柄が出ている、
運転者さんとリフト補助員さんが、お出迎えしてくれました。

首里城では、車いすでも利用しやすく車いす専用エレベーター・リフト・スロープ・専用トイレが準備されております。
又、入館料は一般820円ですが、身体障害者手帳を持っていますと無料になり、
介助人も1人無料で入館できます。駐車場は地下にあり、リフト付きバスでも乗降可能な広いスペースがあります。
リフト付きバスは、バスの横からリフトを上下させる為、
そのスペースを確保しないといけませんので、広いスペースが、必要となります。

それでは、車いすでも楽しめる首里城をご案内致します。
まずは、首里城は、1400年頃に建てられ、約450年間続いた琉球王国の歴代の国王の居住のお城であり、
政治、外交、文化の中心地になったところであり、
本土で言うところの城の意味で沖縄の「グスグ」独自の特徴を持っております。
2000年12月には、「琉球王国のグスグ及び関連遺産群」として日本で11番目の世界文化遺産に
登録されており、日本100名城の1つです。

首里社館(すいむいんかん)は最初の入場施設で、総合案内所でもあり、駐車場があります。
まず、この施設の中の情報展示室で首里城全体を模型やビデオ映像で知ることができます。
世界遺産に登録された事を記念して2000年に作られた、2000円札の絵柄になっている「園比屋武御嶽石門」や、
普段は石積によって塞がれており、城の修理工場の時だけ使用され、
現在は車いすの利用ルートになっている「木曳門」や、首里城見学のメインである「正殿」など、
車いすで楽しく見学することが出来ました。

昼食は首里城近くの沖縄で行列ができる程のおいしい「首里そば」にて沖縄そばを頂きました。
手打ちで、コシの強さがある麺と、汁は豚肉、かつお節、島塩だけのシンプルな出汁と、
具は沖縄県産の豚肉と白かまぼこだけです。
我が施設のご利用様は、ずるずると美味しそうに、麺を辺りにまき散らしながらも、
楽しそうにお食事をして頂きました。

 

美ら海水族館でイルカショーを楽しむ

さて、次に観光するところは、沖縄の北にある、国頭群本部町の美ら海水族館です。
首里城からはリフト付きバスで約1時間30分かかります。

リフト付きバスといってもバスの内装は
一般のバスと同じで、快適に過ごせる事ができます。

ご利用者様は、皆様が飛行機旅でお疲れの様で、
快適にリフト付きバスの中で寝て頂いております。

美ら海水族館のバス駐車場は、無料でとても広く、
リフトを上下できる余裕のスペースもあります。

まず最初にイルカのショーを見学です、
車いす用のスペースがあり、皆さま、イルカのジャンプとかわいいしぐさを見て、
すごい・すごいと入れ歯が動く程、楽しく見学して頂けました。
ちなみにこのイルカのショーは無料なんですよ。

美ら海水族館の入場料金は、身体障がい者手帳を持っていると無料になります。
付き添いも1人、無料となります。
館内も車いすで移動できる様、バリアフリーが整備されております。
もちろん、トイレもバリアフリーの対応になっております。

ジンベイザメやマンタなどの巨大な生物を目の前で、
見れる巨大水槽は高さ8,2M、幅22.5M、厚さ60cmの世界最大のアクリス性の水槽との事です。

 

ザ・ブセナテラスで、ゆっくりを休む

本日の宿泊ホテルは名護市の大きなホテルで、ザ・ブセナテラスです。
広いホテルだけ、あって、ロビー・お部屋・お部屋のトイレにいたり、
広くて、車いすでも、楽々、過ごせる事ができるリゾートホテルです。

夕食は、メインダイニング「ファヌアン」の、屋外テラスで、
美味しいコース(前菜はシャコ貝やスーチカー(豚の塩漬け)を
ソデイカで包んだラビオリ仕立てをジュレソースで。
「県産本部牛ロースのロティ」には島野菜を使ったピペラード(ラタトゥイユ))料理を頂きました。

 

ひめゆりの塔で涙する

2日目は、ゆっくりと起床し、やさしい運転者さんと車いす補助員さんに、
「メンソーレ」と元気に、あいさつ頂き、観光地のひめゆりの塔まで、
きれいな海を車窓で楽しんで頂きました。

車窓で楽しんで頂いたかと思うと皆、近い年齢のせいか、
涙が止まらない様になってしまいました。
「ひめゆりの塔」を観光致しました。

沖縄線末期に学徒隊として従事していた慰霊塔です。
ひめゆり平和祈念資料館には、犠牲者の遺品など、
戦争の残酷さが、わかり、我がご利用者様の涙は止まりません。

どよーんと重い空気になってしまい、どうしようかと悩んでいましたが、
リフト付き車いすに乗り、補助員さんの、だじゃれで、空気が和んできました。
国際市場にて、皆、お土産や、お買い物を楽しんで頂くと
いつもの笑顔のご利用者に戻り、ほっと!致しました。

 

沖縄の楽しい思い出

お買い物後、空港へ向かい、リフト付きバスで車椅子を安全に運転して頂いた運転手さんと、
リフトの上げ下げに細心の注意をして頂き、安心にリフトに乗ることができました補助員さんに
お別れのあいさつをしました。

これから空路大阪の大正区へ向かいます。
楽しい思い出を胸に残し沖縄を後に致しました。
めんそーれ おきなわ。